ANA、新訓練方式での副操縦士第1期生が誕生 訓練品質向上と期間短縮両立

全日空(ANA)では、2014年9月から副操縦士の養成に導入しているMulti-crew Pilot License(MPL)訓練の第1期生8人が5月、訓練課程を修了し、ボーイング777型機の副操縦士として乗務を開始した。このうちの1人である中川雄介副操縦士のフライト出発前の様子が5月26日、報道陣に公開された。

MPLとは、2人乗り航空機の副操縦士として乗務することに特化した新しいライセンスのことで、2006年に国際民間航空機関(ICAO)で規定され、日本では2011年に法制化、2012年から施行されている。ANAでは、MPLの基礎訓練をルフトハンザグループのLufthasa Aviation Training GmbHに委託。互いの訓練ノウハウを出し合い、1年以上にわたる共同開発を経て、ANA独自の訓練プログラムを作り上げた。これまで、副操縦士として乗務するためには、事業用操縦士技能証明、計器飛行証明、陸上多発限定など、複数の異なるライセンスを約36か月の訓練の中で取得する必要があった。MPL訓練では副操縦士業務に的を絞ることで、訓練品質を向上させると同時に、従来方式と比べて訓練期間を大幅に短縮することが可能となっている。この新しい訓練について中川副操縦士は、「(従来と違い2人での訓練が多いため)自分の意思を相手に簡潔に伝えて共通認識を持ち、協力する必要がある。操縦だけでなく、コミュニケーションをとるということが重要だった」と振り返った。これまでに9期56人が日本国内やアメリカ、ドイツで養成訓練を受けている。

中川副操縦士(写真右)は5月22日の沖縄/那覇~東京/羽田線NH996便でデビューした。この日は副操縦士として2回目のフライトで、東京/羽田午後2時10分発の福岡行きNH257便、福岡午後5時発の東京/羽田行きNH262便、東京/羽田午後8時発の札幌/千歳行きNH79便というスケジュール。1日で複数区間をフライトするは初めてとなった。午後1時から同便の小島敏裕機長(写真左)とディスパッチルームでブリーフィングを行い、天候や飛行ルートなどの情報を入念に確認してから機内に乗り込んだ。

その後、ランプに出て機体の外部点検を実施。前脚の確認を行った後、右側からゆっくりと機体の周りを一周し、エンジンや主翼、ギアなどに異常がないか真剣な表情でチェックを行い、コックピットに戻った。

同便は午後2時11分、59番スポットから動き出し福岡へ飛び立った。

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