JAL機エンジントラブル、調査状況明らかに 同型エンジン装備機で緊急検査

日本航空(JAL)は、12月4日の沖縄/那覇発東京/羽田行きJL904便(ボーイング777-200型機、機体記号:JA8978)が飛行中、左エンジンに不具合が発生し、那覇空港に緊急着陸したトラブルについて、調査の状況を明らかにした。

現時点では、左エンジンのファンブレード22枚のうち2枚が損傷し、1枚は根元付近、1枚は中程から破断していることが判明している。ファンブレードの破断に伴う振動により、左右のエンジンカウルの留め具が飛行中に外れ、カウルの損傷に至った可能性が考えられるとしている。左側カウルの大部分、右側カウルの一部が欠損した。左側水平尾翼前縁部と左側胴体後方下部に損傷があるものの、外観上大きな損傷は見られかった。

JALでは、同機と同じプラットアンドホイットニー社製PW4000シリーズエンジンを装備する、ボーイング777型機全9機のエンジン18基のファンブレードの目視と触診による詳細な緊急検査を、12月5日朝までに完了している。便間での目視点検と夜間での目視と触診による詳細検査を当面の間実施する。

また、12月5日以降、非破壊検査(蛍光浸透探傷検査)を開始しており、12月7日中に初回検査を完了する予定。現時点では不具合は発見されていないものの、当面の間は100回の飛行ごとに検査を実施する。

同型エンジンのファンブレードは、個別に使用時間を管理しており、現在他社での事例を踏まえ、飛行回数6,500回ごとにメーカーで特別な検査を実施している。このトラブルを踏まえ、飛行回数が3,250回を超えるブレードは順次交換し、メーカーで特別検査を実施する。

なお、JALは同型エンジンを装備するボーイング777-200型機を9機、ボーイング777-300型機を4機保有している。ボーイング777-200型機は2021年12月、ボーイング777-300型機は2022年3月までに全機を退役することを計画している。

国土交通省は12月4日、重大インシデントに認定し、運輸安全委員会が調査を行っている。