バニラエア香港線就航、石井知祥社長囲み取材全文書き起こし

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11月2日に、バニラエアが東京/成田〜香港線に就航を開始する記念セレモニーの後に行われた、報道陣の石井知祥(いしい・とものり)社長の囲み取材を全文書き起こした。

一問一答は以下の通り。

ー国際線就航3路線目ですが、素直にご感想は。

やっぱり嬉しいですよね。我々も今目標に向かって国際線を充実させていくという中で、久しぶりに新しい路線ですから。おかげさまで12月20日で運航を開始して1年になりますけれど、順風満帆にはなかなか。お客様にご迷惑をおかけした部分もあった。やっとここにきて運航が安定して、定時性も良く、欠航率も少なくなってきましたし、それとお客様が増えてきたという部分で非常にありがたいですね。こういう時に新しい路線を開設できるというのは。また来年2月には高雄を開設しますし、これからもいろんな機会の中で、新しい路線含めて充実させていきたい。今日は満席にはなりませんでしたけれどもお客様に利用して頂いていますし、最近の予約も含めると手応えを感じてきています。

合わせて、もうすぐLCCターミナル(第3旅客ターミナル)も来年4月にオープンしますけれども、いろんな意味でアクセス含めて環境を改善しようという機運も随分出てきたというのは我々にとってすごく追い風を感じていますね。

ー香港線の目標はどれくらい。

利用率は80(パーセント)をできれば超えて、もう少し高い目標を持ちたいなと思っています。

とりあえず来年の1月まで週3便ですから。それから2月からデイリーになって、2月20日から1日2往復ということになりますんで。

ただ、やっぱり香港からのお客様は今すごく2桁で伸びているんですよ。1月〜9月までの数字は67、8万人くらいで、前年比で20%くらいずっと伸びている。今年は多分(訪日客数)90万まで行きませんけれど、80万人くらいになりますか。日本の方は、去年100万人で、一昨年120万ですからマイナス15%くらい。ちょっと減ってますよね。我々が入って、当面この路線ではLCCとしては初ですから、もっともっと日本からのお客様を香港へ増やしたいなと思っています。たぶん増えてくると思います。

先立って、香港で記者発表会をやったんですけれど、我々帰りはキャセイさんの羽田の、久々にジャンボでしたが、エコノミー含めて全部いっぱいでしたね。そのくらい需要がある。香港から日本への需要が強いのを感じましたね。

あわせて、香港のLCCマーケットは日本とほぼ同じ。日本は国内線でだいたい7%くらいですけど、香港はまだ8%。ですからアジアの中では、日本を含めて香港もLCCマーケットは非常に小さい。まだまだLCCに対する認知度、知名度が低いですよね。そういう面でまだ伸びしろがすごくあるなと感じがしましたね。

ー香港の政情は特に気にされていない?

そうですね。セントラル(中環)で一部あると聞いていますけれど、他の所は全体に落ち着いています。私も20年ぶりくらいに行きましたが、すごくエネルギッシュですね。中国本土は経済が少しスローダウンしているようですけれど、香港はまだまだある意味ではバブってるんじゃないかという感じがしました。
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ー第3ターミナルの具体的な計画が先週に発表になったんですが、それに対して期待など、それにあわせてこうしたいというお気持ちというのはありますか。

いろんな形で制約の中で工夫をされてきていると思います。我々としてはアクセスや使い勝手の問題。いろんな細かいところは我々自身も交渉を継続中ですし、もう少しいろんな使い勝手をぜひ考えていただきたい。いろんな制約あるんですけどね。だいぶちょっとアクセスや車寄せの問題ですとか、カートが使えないとかいろんな細かいところがまだまだあります。合わせて我々も使用料を含めての部分はもう一段のいろんなお願いしたいと思っています。

ー移動距離が長いこと定時運航の妨げになるというか、かえってNAA(成田空港会社)がやっていることがLCCにとって足かせになるとしか見えないんですけれど、そういった点はどう考えていますか。

足かせというところまでそう思っていないんですけど、我々としてもやはりかなりコストを下げるために、少々これくらいの不便はいいんじゃないかという感覚がまだ強い部分もありますから。ただ、我々からしたら今よりも不便になってもらっちゃ困るわけですよね。国際にしろ、国内にしろ。ただ確実に今度は国際、国内一緒になりますし、これから乗り継ぎのお客様もたぶん自然と増えてくる部分では、非常に使い勝手が良くなってくると期待はしています。

ここへのアクセスは、車にしろマイカーはなかなかまだあれ(難しい)ですから、将来的には色々土地の確保も含めて検討していただいているんですけど、そういうのをもう少し早くいろんな部分で改善していただきたいですし、多分(乗り入れ航空会社や旅客数も)増えてきますよね。これから我々にとって競合相手である、海外からや国内含めると。とりあえず3社であそこですけど、いろんな形で増えてくるというのは予想されますからね。もう少し面ではもう少し先を見て改善をしていただきたいなというのがありますね。

ー今度施設利用料を、せっかくLCCが値段を下げてもNAAが横取りしていくというのはちょっとあまりよくないと思うんですけども、そういった点は施設利用料を下げて欲しいとかなくして欲しいというような率直に要望は。

一番いいのはないに越したことはないんでしょうけども(笑)。まあその分きちんと透明性を持っていただいて、ちゃんといろんな施設整備ですとか。当然、我々がいろんなコストがかかっている部分の改善ということに透明性を持ってやっていただきたいです。そういうところをきちっと見れば、お客様がある程度理解していただける部分はあると思っていますけどね。確かに今、羽田があれだけどんどん便利になっていく中では、そのへんは注意してやっていかなければいけないなと思いますね。
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ーバニラは成田密着がウリだが、仮に今後羽田に入れると将来的になれば検討課題になるのでしょうか。

ANAグループとして、全体のブランディングの中でどう相乗効果を上げていくかという部分がありますからね。やっぱりその中で検討課題の一つにはなると思いますけれど、まず我々とすれば、成田でしっかり基盤を作っていくことが大事だと思っています。

ー今回、ツアーのお客さんもいらっしゃるということで、それが利用率の底上げになっているようですが、直販比率は現状どれくらいなのでしょうか。

大体、(直販)80対(ツアー)20くらい。時期や路線によって違いますけども、我々とすればできるだけ直販部分を広げていく中で、シーズナリティ(季節変動)もありますから、そこは旅行会社と一緒になって需要喚起という意味では方面や時期によってもかわりますから、両方充実させていくというのが当面我々の戦略。

ー具体的に直販比率をあげたいという具体的な数字というのは。

スマートフォンのサイトをバージョンアップしていきますし、直接我々のウェブサイトに来ていただくという基本的なモデルで、いかにいろんな費用やコスト部分を削減していくかというのは一つの大事なポイント。大きくシーズンによって需要が動くのは旅行会社さんに需要喚起していただくようなこと。路線や時期によっては必要なパートナーとして、結果としてそうなっていけばいけばいいと思っています。

ーいわゆる付帯収入はどうなんですか。

最初のところで大見得きっちゃって言ったけど、いろんな意味で最初のところで、手荷物を「コミコミ(バニラ)」「シンプル(バニラ)」に全部含めたというインパクト。それ以外の部分についても、予想よりも当然我々の中で政策や、これ(スマートフォン)で予約できないという障害がありましたから。一段とこのモデルを成功させるためには、ある程度付帯収入が15〜20%くらいはしっかり。その中で運賃は競争力あるものを提供していくという形にしていかないと。

コストがそれだけ下がっていけばいいですが、コストについてはいろんな今までのゼロベースのいろんな発想で下げる挑戦をしたいと思っていても、そう簡単には下がってこない。コスト下げる部分と収入を上げるという部分では、付帯収入をどういろんな形で上げていくかというところ。ただ今までのやり方のように、お客さんの知らない間にいらないものが付いてたというやり方は支持されない。きちんとお客様が理解してリーズナブルで価値あるという部分について買っていただく、出していただくという手法をもっと開発していきたいと思っている。

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ーもう少しで1年になりますが、社長にとってこの1年で印象的なのは。

一番きつかったのは、一時的に機長稼働不足で減便をしてしまったということはありますね。それとスタートから冬場の便の乱れでずいぶん定時性、欠航率が一番悪かった。4月〜6月は定時性が国内で一番良かった。お客さん少なかったですが。それ以降は定時性が高くなって欠航率が少なくなった。8月は利用率91%で、発表されている中では一番の利用率だった。嬉しい部分としんどかった部分両方ありますね。

ー細かい数字ですが、香港線で日本人と外国人のお客様の比率は。

まず半々くらいかなと思っている。たぶん今の勢いで言うと、香港のお客様のほうがもっと増えていく。

台湾は7対3で台湾のお客様が多いんですけれど、そんな路線になっていくかな。我々としてはもっと日本のお客様を増やしたいというところもある。

こないだも香港に行って、香港のお客様は日本へのすごいブームっていうかな。なおかつ、我々の強みは札幌、沖縄、奄美の国内路線も持っているので、そういう面で国内線の選択を増やしていく。ということでしっかりインバウンドを取っていく中では、多分半分からもうちょっと増えていくと見ています。

ー日本人客は相対的に香港に行く人は…。

落ちているんですね。2011年、2012年は120万くらい行っていましたけど、去年2013年ははいろんなこともありますけれど100万人。そもそも海外行く日本人の数もずっと毎年ね。関空は上期はインバウンドが(アウトバウンドと)逆転しましたもんね。まだ成田は逆転してないけど、このままの勢いでいくと5〜6年くらいで逆転しちゃうんじゃないんですか。インバウンドのお客さんと日本から出発するお客さんが。インバウンドが増えるのはありがたいですけれど、我々とすればもっと日本のお客さまを海外へ行く役割を果たしたい。

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