観光庁、外務省を通じて在外公館に旅行者への対応指示 弁済制度は「適切と考える」

観光庁は3月26日午前に、てるみくらぶに立ち入り調査を行った。てるみくらぶの社長会見後となる3月27日午後に記者会見を行い、詳細を発表した。

てるみくらぶは1999年2月1日に第1種旅行業者として登録。5年に1回、旅行業登録の更新があり、3年前の更新時には問題はなかったほか、過去に旅行業法による処分歴はなかった。

立入検査では、海外にいる旅行者の円滑な帰国に必要な情報を得ることや、事実確認、現在海外に何人いるかという情報を聴取した。旅行者の情報は、旅行商品や出発日や帰国日といったデータを観光庁が集計した。観光庁の集計では、3月26日時点で38ヶ国・地域に約2,500名が渡航中。3月26日に帰国する人は除いているほか、出発を見合わせた人もいるため、実際の人数はわからないという。

航空券は発券されていれば、旅行者と航空会社との契約が成立しており、航空会社は搭乗を拒否できない。国土交通省航空局から2008年に通達が出ており、再度周知した。観光庁では現状、搭乗拒否などの事案を聞いていないという。外務省海外邦人安全課を通じて、旅行者が帰国するための航空券の入手を行う方法などの問い合わせなどが現地の日本国大使館にあった場合には適切に対応するよう、各公館に周知した。

旅行会社の経営破綻の件数は、2008年度以降では17件。そのうち15件では弁済業務保証金や営業保証金で100%の弁済が受けられたという。残りの2件のうち1件は約7割、もう1件は約4割。今回の1%程度というケースは「かなり少ない数字」(観光庁担当者)という。弁済制度の目的が機能していなかったのではないかとの質問には、「過去事例では17件中15件が100%で適切と考えている。」(同)とした一方で、「さらなる消費者保護が必要であれば検討する。」(同)と話した。

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